の夕陽ある淋しさ山よ
故郷の冬空にもどつて来た
雨の中泥手を洗ふ
山畑麦が青くなる一本松
窓まで這つて来た顔出して青草
渚白い足出し
貧乏して植木鉢並べて居る
霜とけ鳥光る
あついめしがたけた野茶屋
森に近づき雪のある森
肉がやせて来る太い骨である
(肉がやせてくる太い骨である)
一つの湯呑を置いてむせてゐる
やせたからだを窓に置き船の汽笛
すつかり病人になつて柳の糸が吹かれる
春の山のうしろから烟が出だした
底本:「尾崎放哉句集」彌生書房
1997(平成9)年12月25日初版発行
「尾崎放哉全句集」春秋社
1997(平成9)年12月10日第3刷発行
元テキスト入力:j.utiyama
テキスト追加入力・編集:浜野 智
1998年4月28日作成
2004年10月11日修正
青空文庫作成ファイル:
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