見き。アンジエロ[#「アンジエロ」に傍線]は我を伴ひて島に渡りしに、天使はおん身に似たる聲して我名を呼び、我に藥艸を與へき。歸りて之を煮んとする時、ロオザ[#「ロオザ」に傍線]が兄なる人我等の住める草寮《こや》に憩ひて、我目の開《あ》くべきを見窮《みきは》め、我を拿破里に率《ゐ》て往きぬ。手術は功を奏せり。ロオザ[#「ロオザ」に傍線]が兄なる醫師《くすし》は、我を養ひて子となし、希臘《ギリシア》にてみまかりし子の名を取りて、我をマリア[#「マリア」に傍線]と呼びぬ。ある日アンジエロ[#「アンジエロ」に傍線]は、忽ち醫師のもとに來て、われは命の久しからざるべきを知りぬ、我が貯へし金を讓らん人ララ[#「ララ」に傍線]ならではあらざるべし、先づこれをあづけまゐらせんとて、金あまた取出《とうで》て、逗留すること數日にして眠るが如くみまかりぬ。われはさきの夜の席《むしろ》にて、おん身の舟人の不幸を歌ひ給ふを聞き、おん身の聲を聞き知りて、直ちにおん身の脚下に跪きぬ。アヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]が末期《まつご》の詞の我に希望の光明を與へしと、おん身のつれなき旅立の我を病に臥さしめしとは
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