煤uボルゲエゼ」に傍線]家の少女の事を忘れぬ。
次の月曜日にはフラミニア[#「フラミニア」に傍線]こそ歸り來べけれと、老公|宣給《のたま》ひぬ。この詞はあやしく我情を動して、その人と成りしさまの見まほしさはよの常ならざりき。想ふに小尼公も亦我と同じき籠中《こちゆう》の鳥なり。こたび家に歸り給ふは、譬へば先づ絲もてその足を結びおき、暫し籠より出だして※[#「皐+羽」、第3水準1−90−35]翔《かうしやう》せしむるが如くなるべし。傷《いた》ましきことの極《きはみ》ならずや。
わが姫の面を見しは午餐《ひるげ》の時なりき。げに人傳に聞きつる如くおとなびて見え給へど、世の人の美しとてもてはやす類《たぐひ》の姿《すがた》貌《かほばせ》にはあらざるべし。面の色は稍※[#二の字点、1−2−22]蒼かりき。唯だ惠深く情厚きさまの、さながらに眉目の間に現れたるがめでたく覺えられぬ。
食卓に就きたるは近親の人々のみなり。されど一人の姫に我の誰なるを告ぐるものなく、姫も又我面を認め得ざるが如くなりき。さてわれは姫に對《むか》ひてかたばかりの詞を掛けしに、その答いと優しく、他の親族の人々と我との間に、何
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