煤uカラブリア」に二重傍線]酒《ざけ》誂へんをりは、かの娘をも共に取寄せんとぞおもふ。我血を沸き立たしむる功は此も彼に讓らざるべし。
 我等は市街に歩み入りぬ。アマルフイイ[#「アマルフイイ」に二重傍線]の市は裹《つゝ》める貨物《しろもの》をみだりに堆積したる状《さま》をなせり。羅馬なる猶太街《ゲツトオ》の狹きも、これに比べては尚|通衢《つうく》大路《おほぢ》と稱するに足るならん。こゝの街といふは、まことは家と家との間に通じ、又は家を貫きて通じたるろぢの類《たぐひ》のみ。或るときは狹く長き歩廊を行くが如く、左右に小き窓ありて、許多《あまた》の暗黒なる房《へや》に連《つらな》れり。或るときは巖壁と石垣との間に、二人並び歩むに堪へざるばかりの道を開けるが、暗くして曲り、濕りて穢《けが》れ、級を登り級を降りて、その窮極するところを知らず。我等はをり/\身の戸外に在るを忘れて、大いなる廢屋の内を彷徨《さまよ》ふ念《おもひ》をなせり。所々燈を懸けて闇を照すを見る。而して山上は日獨り高かるべき時刻なりしなり。
 既にして我等は稍※[#二の字点、1−2−22]|開豁《かいくわつ》なる處に出でたり。一
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