驍常とせしが、後又俗士を擇《えら》む。侍奉紳士は婦の早起|盥漱《かんそう》する時より、深更寢に就く時に至るまで、其身邊に在りて奉侍す。他婦を顧みることを容《ゆる》さず、聞く侍奉紳士中|※[#「女+徭のつくり」、第4水準2−5−69]褻《いんせつ》に及ばざるもの往々にして有り。嘗て一男子の歿するや、其|誄辭《るゐじ》中侍奉紳士となりて責を負ひ任を全うすといふ語ありきと。)われは此俗を歌ふ一曲の人口に膾炙《くわいしや》するものあるを知れど、急にこれに依りて思を搆《かま》ふること能はず、(曲とは「フエミナ、ヂ、コスツメ、ヂ、マニエレ」と題するものを謂ふ、「ソネツトオ」なり、ミユルレル[#「ミユルレル」に傍線]の羅馬と其士女との卷中に收めたり。)望を第二紙に屬してこれを開きたり。紙上にはカプリ[#「カプリ」に二重傍線]と書せり。是れ亦わが爲めの難題なり。われは拿破里《ナポリ》よりその山脈の美しきを賞しつれども、未だ一たびも此島に航せしことあらず。若し二者中一を取らば、猶侍奉紳士をこそ辭を措《お》き易しとせめ。われは第三紙を開きたり。題して拿破里の窟墓といふ。これも亦我未知の境なり。されど窟墓
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