問ふものゝ如し。われは又覺えず頷きたり。球は走り、我銀は二塊となりぬ。われはこれを收むるを愧《は》ぢて、銀を其處に放置せり。球は走り又走りて、銀の數は漸く加りぬ。運命は我に與《くみ》するにやあらん。銀の嵩《かさ》は次第に大いになりて、金貨さへその間に輝けり。われは喉※[#「口+龍」、第4水準2−4−48]《のど》の燃ゆるが如きを覺えたれば、葡萄酒一杯を買ひてこれに灌《そゝ》ぎつ。黄白の山はみる/\我前に聳《そび》えたり。忽ち球は我色に背きて、監者は冷かに我銀の山を撈《さら》ひ取りぬ。われは夢の醒めたる如くなりき。我がまことに失ひしは柱文銀一つのみと、獨り自ら慰めて次の室に入りぬ。
こゝには數人の少女《をとめ》あり。中なる一人の姿|貌《かほばせ》は宛然たるアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]なるが、只だ身幹《みのたけ》高く稍※[#二の字点、1−2−22]肥えたるを異なりとす。われは暫くこれに注目せしに、少女は我前に歩み寄りて、傍なる小卓を指し、おん敵手《あひて》にはなるまじけれどと耳語《さゝや》きたり。わが輕く辭《いな》みて數歩を退《しりぞ》き去るを、少女は訝《いぶ》かしげに見送
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