驍ネり。
友誼と愛情と
式終りてベルナルドオ[#「ベルナルドオ」に傍線]が許を訪ひぬ。手を握り襟《えり》を披《ひら》きて語るに、高興は能辯の母なるを知りぬ。けふ聞きつるアレエグリイ[#「アレエグリイ」に傍線](寺樂の作者)が曲、我が夢物語めきたる生涯、我と主人との友誼は我に十分なる談資を與へたり。けふの樂はいかに我憂を拂ひし。未だ聽かざりし時の我|疑懼《ぎく》、鬱悶、苦惱は幾何《いくばく》なりし。われは此等の事を殘なく物語りしが、唯だこれが因縁をなしゝものゝ主に我友なりしか、又はアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]なりしかをば論じ究めざりき。我が今友に對して展《の》べ開くことを敢てせざる心の襞《ひだ》はこれ一つのみなりき。友は打ち笑ひて、さて/\面倒なる男かな、カムパニア[#「カムパニア」に二重傍線]の羊かひの頃よりボルゲエゼ[#「ボルゲエゼ」に傍線]の館に招かるゝまで、女子の手して育てられしさへあるに、「ジエスヰタ」派の學校に在りしなれば、斯くむづかしき性質にはなりしならん、切角《せつかく》の伊太利の熱血には山羊の乳を雜《ま》ぜられたり、「ラ、トラツプ」派の僧侶めきた
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