あったのかしら。」
けれども、ゲルダは、そのむすめのほおを、かるくさすりながら、王子と王女とは、あののちどうなったかとききました。
「あの人たちは、外国へいってしまったのさ。」と、おいはぎのこむすめがこたえました。
「それで、からすはどうして。」と、ゲルダはたずねました。
「ああ、からすは死んでしまったよ。」と、むすめがいいました。「それでさ、おかみさんがらすも、やもめになって、黒い毛糸の喪章《もしょう》を足につけてね、ないてばかりいるっていうけれど、うわさだけだろう。さあ、こんどは、あれからどんな旅をしたか、どうしてカイちゃんをつかまえたか、話しておくれ。」
そこで、カイとゲルダとは、かわりあって、のこらずの話をしました。
「そこで、よろしく、ちんがらもんがらか、でも、まあうまくいって、よかったわ。」と、むすめはいいました。
[#挿絵(fig42387_08.png)入る]
そして、ふたりの手をとって、もしふたりのすんでいる町を通ることがあったら、きっとたずねようと、やくそくしました。それから、むすめは馬をとばして、ひろい世界へでて行きました。でも、カイとゲルダとは、手をとりあ
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