は息《いき》を吹《ふ》きかえして来《き》ました。けれども子供達《こどもたち》がそれと一緒《いっしょ》に遊《あそ》ぼうとしかけると、子家鴨《こあひる》は、みんながまた何《なに》か自分《じぶん》にいたずらをするのだと思《おも》い込《こ》んで、びっくりして跳《と》び立《た》って、ミルクの入《はい》っていたお鍋《なべ》にとび込《こ》んでしまいました。それであたりはミルクだらけという始末《しまつ》。おかみさんが思《おも》わず手《て》を叩《たた》くと、それはなおびっくりして、今度《こんど》はバタの桶《おけ》やら粉桶《こなおけ》やらに脚《あし》を突《つ》っ込《こ》んで、また匐《は》い出《だ》しました。さあ大変《たいへん》な騒《さわ》ぎです。おかみさんはきいきい言《い》って、火箸《ひばし》でぶとうとするし、子供達《こどもたち》もわいわい燥《はしゃ》いで、捕《つかま》えようとするはずみにお互《たが》いにぶつかって転《ころ》んだりしてしまいました。けれども幸《さいわ》いに子家鴨《こあひる》はうまく逃《に》げおおせました。開《ひら》いていた戸《と》の間《あいだ》から出《で》て、やっと叢《くさむら》の中《なか
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