マ]めずってしまったが、やはりまだそれだけでは腹がへって仕方がなかった。そしてお湯一つくれないので、つい幾度となく水道の水をがぶりがぶりとやっていた。

    六

 はいった翌日、トレスという弁護士から手紙が来た。共産党のちょっとした名士で、いろんな革命派の人々の弁護をいつも引受けている弁護士だ。僕も名だけは知っていた。コロメルが頼んだのだ。
「予審判事へ僕が君の弁護を引受けたことを知らしてくれ。そしてもし予審廷へ不意に呼ばれるようなことがあったら、僕が立合いの上でなければいっさい訊問に応ずることはできないと言え。」
 この手紙は封じたままで僕の手にはいった。僕はそれも面白いと思ったが、それよりもなおこの「立合いの上でなければ」というのが面白いと思った。
 僕はすぐ判事と弁護士とに手紙を書いた。判事の方のは開き封のままだが、弁護士への分はやはり封じて出せとのことだった。
 その後トレスが面会に来たが、弁護士との面会は監視の役人なしだった。お互いに何を話そうと、何を手渡ししようと、勝手なのだ。
 これなら、金さえあれば、いくらでも、偽証もでき、また証拠の湮滅もできそうだ。泥棒がその盗
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