んこともあると思うが、足下からの便りがないので、何がどうなっているのか少しも事情が分らない。足下からの手紙はたしか十一月の父の死の知らせが最後だ。一月には松枝※[#始め二重括弧、1−2−54]妹※[#終わり二重括弧、1−2−55]と勇※[#始め二重括弧、1−2−54]三男※[#終わり二重括弧、1−2−55]からのが来た。三月には足下のと思って楽しんでいたら、伸※[#始め二重括弧、1−2−54]次弟※[#終わり二重括弧、1−2−55]の、しかも一月に出した、用事としてはすでに時の遅れた、内容の無意味極まる、実に下らないものを見せられた。面会はいつもあんな風にいい加減のところで時間だ時間だと言っては戸を閉められてしまうのだし、用の足りぬこともまたおびただしいかなだ。今うちに誰と誰がどうしているのやら、またどんな経済の事情やら、その他万端のことを本月の面会の時によく話の準備をして来て、簡単にそして詳細によく分るように話してくれ。
足下は初めて子供等の世話をするのだが、どうだいずいぶんうるさい厄介なものだろう。※[#始め二重括弧、1−2−54]継母は父のいくらもない財産の大部分を持って去った
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