した中でも、揺れつつ肉を突き刺し巧みに口へ入れていた。総体が気忙しく立ち廻り、入り乱れているにも拘らず、それぞれ何んの間違いもなく無事安泰に流れてゆくようなその感じは、見ていても胸の空くほど凄じい勢いだった。それはもう西洋でもなければ東洋でもなかった。まさしくそれは世界で類のない一種奇妙な生の躍動そのもののような姿態だと思った。
 その夜はつづいた睡眠の不足で矢代はすぐ眠くなったが、寝台を取り忘れていたので、展望車の椅子にそのままうとうとした。彼の横にマニラから帰って来た青年が二人、十年ぶりだといって、窓から故郷の沿線の様子を楽しげに眺めていた。対い合った二人は嬉しそうに落ちつかないらしく右を見たり左を見たり、絶えずして眠らなかった。矢代にも向うから話しかけて来て、マニラの状況を報らせたり、どこから来てどこへ行くのかと訊ねたりした。矢代はシベリヤから帰って来たと答えると、シベリヤのどこかとまた訊ねた。乗車したのはベルリンからだと答えると、急に二人は他人行儀な冷淡な顔つきになって窓の外を向いてしまい、それからもう話そうとしなかった。矢代はそれを機会に横になって眠った
 眼が醒めたときもう
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