る拷問攻めのような再会が、矢代には出来がたいことであった。考えようによれば、それはもう愛情の問題ではなく、脅迫にも見れば見られる、薄情さに変ってしまう再会にも近かった。
「外国にいちゃ、とにかく、云うことすることに間違いが多いですからね。」
と矢代はあのときも千鶴子をたしなめて云ったことがある。
「みんなこちらのことは間違いだなんて、そんなこと――あなたがいつもそんなこと思ってらしったのが、何んだかしら、いやアな気持ちよ。毎日あんなに楽しかったのに――」
千鶴子は彼に答えてから急に沈んだのもまた矢代は思い出したりした。そのときの沈んだ千鶴子は、帰ってからいよいよ自分と会うというときにも、一度は、あのときのような伏眼な瞼の影を湛えて考えるにちがいない。それも傍からしっかりした眼で彼女の母が見て、自分よりはるかに良い結婚の相手が沢山千鶴子に追っている場合に、一度ならず娘に忠告を与える言葉も、今から矢代に考えられないことではなかった。しかし、いずれにせよ、こっちにいるときの二人の気持ちという幻影を変えないことが大切なら、どちらも帰って会うよりも、会わない方が互いのためだと思った。地位、身
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