一人が馬鹿なことをすれば、良いことをしているものでも人間は同罪になるらしい。そこが人間の面白さじゃないかな。とにかく、下へもう降りよう。それから今夜は一つ、君らのその自然に還るところを見せてもらいたいものだな。」
「ようし、人間は同罪だ。行こう。」
 と久慈は云って勘定を命じてから立ち上った。
「そこで真剣勝負だぞ。」
 と矢代も云った。間もなく、三人はそれぞれ自分の影を後ろに倒しつつ山から下の遊び場の方へ降りていった。
 パリではモンマルトルの麓に一番高級な踊場が沢山ある。その中の一二を争う家を選んで三人は中へ這入った。メイゾン・ルージュは中が全部紅いだった。あまり広くはない正面の楽師たちに絡りついている真鍮の楽器の管から、しっかりと音締めの利いた音がもう久慈の胸中に吹き襲って来た。ふと彼はそのとき真紀子と逢う用事のあったことを思い出したが、椅子へ腰を降ろすと忽ちそれも忘れてしまった。踊子たちが三人の傍へよって来た後から、すぐシャンパンが氷につかった桶のまま運ばれた。部屋の中央で踊るものは踊り、休むものは椅子に休む。
「ははア、これは千九百二十六年のだな。」
 と東野はシャンパンのレ
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