、初めて捕つた時のやうに掌へ乗せてみると、首がガクリと下つて延びた。私はその儘彼女と空虚の籠とを交り番こに眺めてゐた。と、軽い恐怖がサツと胸を走つた。「死によつた!」と長らくしてから私は呟いた。



底本:「定本横光利一全集 第一巻」河出書房新社
   1981(昭和56)年6月30日初版発行
底本の親本:「萬朝報」萬朝報社
   1917(大正6)年10月29日
初出:「萬朝報」萬朝報社
   1917(大正6)年10月29日
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、旧字、旧仮名の底本の表記を、新字旧仮名にあらためました。
※底本は総ルビでしたが、ルビは削除しました。
※くの字点は、底本のママとしました。
入力:高寺康仁
校正:松永正敏
2001年12月11日公開
2003年6月1日修正
青空文庫作成ファイル:
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