不可能でない迄《まで》も、例の地点に於《お》けるわれわれの計画は少くとも三箇月の停頓を喰うことになる」
「マッチの棒は、もう心配はいらぬよ」
「そうあってくれないと困るがネ、ときに早速仕事を始めたいと思うが、僕は何を担当して何を始めようかネ」
「そうだ、もう愚図愚図《ぐずぐず》はしていられないのだ。こんなに停頓することは、われわれの予定にはなかったことだ。そうだ、先刻《さっき》本国の参謀局から指令が来ていた。それを早速君に扱ってもらおうかなァ」
といって首領は立ち上ると手紙を取るために机の方にいった。
「ほう、本国の指令とあれば、誰よりも先に見たいと思う位だ。どれどれ見せ給え」
「ちょっと待ち給え。――おや、これはおかしいぞ。封筒があるのに、中身が見えない……」
「右足のない梟」はすこし周章気味《あわてぎみ》で、机の上や、壁との間の隙間や、はては机の抽出《ひきだし》まで探してみた。だが彼の探しているものはとうとう見付からなかった。彼の顔はだんだんと蒼《あお》ざめてきた。
「どうしたというのだネ。指令書は……」
「全く不思議だ。見当らない。この部屋には僕の外、誰も入って来ない筈なのだが
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