し、敵は電気鳩にやられてよわりきっていましたので、わけなく上陸できたそうです。
「高一君、じつにりっぱなはたらきをしたね、おめでとう。みんなでばんざいをとなえよう」
 トーチカの上に日章旗をたてると、大尉のおんどで、陸戦隊や、高一やお父さままで力いっぱい、ばんざいをさけびました。
 むこう岸にまっていたミドリが、どんなによろこんだか、申すまでもありません。
 電気鳩をうごかすふしぎなしかけは、秋山技師がしらべて、すっかりわかり、大へんめずらしいというので、いまも大切にしてあるそうです。



底本:「海野十三全集 第4巻 十八時の音楽浴」三一書房
   1989(平成元)年7月15日第1版第1刷発行
初出:「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社
   1937(昭和12)年8月〜1938(昭和13)年4月
※「羽ばたき!」と「海岸だ!」の二箇所のみでは、「!」は斜体となっています。
入力:tatsuki
校正:まや
2005年5月6日作成
青空文庫作成ファイル:
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