豆潜水艇の行方
海野十三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)機関兵《きかんへい》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)潜水艇一|隻《せき》
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世界一の潜水艇
みなさんは、潜水艇というものを知っていますね。
潜水艇は、海中ふかくもぐることの出来る船です。わが海軍がもっているのは、潜水艦といいますが、これは世界一のりっぱなものです。潜水艇がりっぱなだけではなく、それにのりくんでいる海軍の士官や水兵さんや機関兵《きかんへい》さんたちもりっぱで、これも世界一です。
私がこれからお話ししようと思いますのは、「豆」という名をもった小さい潜水艇の話です。
もっとも、豆潜水艇という名は、この豆潜水艇の発明者であり、これをつくりあげた青木学士がつけた名前ですが、その青木学士と大の仲よしの水上春夫少年《みなかみはるおしょうねん》は、これを豆潜水艇といわないで、ジャガイモ潜水艇といっています。
ここで、ちょっと二人のこえをおきかせしましょう。二人がいいあっているところは、その豆潜水艇がおいてある青木造船所の中です。
「おい春夫君。君は、
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