」
頁の上には、たしかに私が書き残して置いた日記文があった。間違いなく、私は三角暗礁へ戻ってきたのだ。だが、私の日記文のあとに、もう一行、私の筆跡でない記事が書きつけられてあった。
“○月○日、黒馬博士艇は、X大使の救助をうけて、破損せる艇もろとも、この三角暗礁へ帰還せり”
私は、うーむと、唸《うな》った。
旗艦《きかん》ユーダ号――ピース提督を訪問せよ
後で思い出しても、そのとき私は、さもしい気を起したものだと、冷汗が流れるのだが、日記のうえの、X大使の記事を見ると、私はついむらむらと不快な気分になった。そこで私は、ペンを取り上げて、日記の頁に向った。
「おい、黒馬博士。待ちたまえ」
「うむ」
X大使の声だ。大使は、まだ私の身辺にいたのである。
「折角わしの書いておいた記事を、君は消すつもりではあるまいね」
私は無言で、ペンを捨てた。私は赤面した。
「黒馬博士。わしは、二度、君の希望に従い、協力した。もう一つ、わしは君に力を貸してもいいと思っている。で、どうだね、これから、米艦隊の旗艦に、司令長官ピース提督を訪問してみてはどうかね」
X大使は、とんでもないこ
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