は、頭も痛くなるであらうし、珠玉のやうな虫喰ひ算の味が十分は味へないと思ふ。
 四問題のうち、初めの二問題か三問題は比較的やさしいが、後に出て來るものは大分むつかしくなつてゐる。
 また最初のうちの會場は、わりあひ樂であるが、會場が進むにつれて、だんだんむつかしくなつて來る。第二十會場あたりからあとは相當お骨が折れて頭から湯氣を出されることと思ふ。その代り十分骨折り甲斐のある虫喰ひ算の魅力を滿喫せられることであらう。
 尚、これらの答は、わざとつけてない。答を操つてみて、「ははあ、なんだこの□は9か」などとやられては、虫喰ひ算の妙味はなくなつてしまふ。もしやり方に詰つたら、その前の例題を復習して、虫喰ひ算の解き方のこつ[#「こつ」に傍点]を會得せられ、それからもう一度問題と取組んでいただきたい。
 第一會場をパスすれば、第一階選士となられる。かくてどんどん進んで、第三十會場をパスすれば、當然第三十階選士として最高の名譽を獲得せられるわけで、メダルでも出したいところであるが、生憎手許にないのは遺憾である。
 第三十階選士になつたからといつて、この虫喰ひ算の書はつまらないものと化したわけで
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