ン艇長は、たちまちやっつけてしまった。
 太刀川等は、それからさっそく作戦を相談した。
 その結果、石福海は、監禁室につづく通路を、はり番していることになった。
 のこった四人は、二手に分かれることになった。
 クイクイの神様の三浦と、ロップ島の酋長ロロとは、太刀川からあるすばらしい秘策をさずけられると、いそいで例の秘密通路から、カンナ島へかえっていった。
 太刀川とダン艇長とは、たがいの受持をきめると、ケレンコたちが会議をしている司令官室へ向かった。
 太刀川は、司令官室の前を、行きつもどりつしている一人の衛兵に、不意にうしろからとびついて首をしめた。衛兵は、声もたてずに、ぐにゃりとなった。
 その体を、ダン艇長が横だきにして、片隅につれて行くと、その武装をそっくり頂戴して、衛兵になりすまし、なにくわぬ顔をして、司令官室の前を、行きつもどりつ、警備をしているのである。白人が白人にばけることは、やさしい。
 太刀川は、その間に、司令官室へもぐりこんだのであった。
 だが、二人は、この時、別働隊の三浦と酋長ロロがとりかかったはずの仕事の進行を、しきりと気にしていたのである。
 太刀川は、カンナ島へかえっていった三浦と酋長ロロとに、どんな秘策を、さずけたのであろうか。


   壊滅一歩前


 幕僚会議は、いよいよ熱心につづけられた。
 日本を攻略するについて、あらゆる場合が考えられ、その用意がなされていった。
 太刀川は、そのたびに、はやる心をじっとこらえた。
「七時半だ。もういいころだが」
 太刀川は、カーテンのかげから、そっとぬけでた。
「太刀川さん、いよいよあの時刻が来ましたよ」
 ダン艇長はいった。
 それから二人は、石福海が張番をしている監禁室へかけだしていった。
 太刀川は、つまれたあき樽の中に、首をさしいれて耳をすました。
 カーン、カーン。カーン、カーン。
 鉄管をたたくような音がきこえた。
 ダン艇長の耳にも、はっきりときこえた。
「いよいよ、カンナ島の用意が出来たんだ」
「じゃ。こっちからも、信号を」
 と太刀川はダン艇長に目くばせした。ダン艇長は、あき樽のうしろにもぐりこんだ。そこには、カンナ島へのぼる鋼鉄階段があったが、その階段を、ダン艇長は落ちていた鉄棒で、力一ぱいなぐりつけた。
 カン、カン、カン。――カン、カン、カン。
 三点信号だ!

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