がしるしてあった。
(うむ、見つかってしまったか)
と、太刀川の息づかいが、またもやあらくなる。
日本攻略作戦
「おい、リーロフ。この沈没船の積荷には、まんぞくなものが一つもないようだね」
ケレンコ司令官は、太刀川をリーロフ大佐と思いこんでいるのか、気がるにいった。それをきいた太刀川は、とびあがるほど喜んで、
「はい、ケレンコ閣下。どうも、こんどは少しやりすぎたようですね」
と、なにくわぬ調子で答えた。
「まあ、あまり、よくばるまい」
とケレンコはいった。
「ところで閣下は、なに用あって、ここへ」
太刀川はまだ、用心しながらたずねた。
「いや、これから君と一しょに海底要塞を検閲しようとおもうのだ。副司令として、君にみてもらいたいところがあるのだ。潜水隊員は、わしからひきとるように命じておいたから、心配せんでもよい」
「は、では、さっそくおともしましょう」
「いや、なかなかよろしい。君は副司令になってから、言葉づかいも日頃のらんぼうさも、急にあらたまったようだな。いや、わしもまんぞくじゃ」
なんという気味のわるいほめられ方であろう。あたかも「お前はリーロフになりきっていないぞ」と、いわれたようなものだ。
だが一方で、太刀川はしめたと思ったのである。ケレンコ自ら、大海底要塞を案内しようという。ねがってもない機会じゃないか。正しき者にはつねに天佑というものがあるというが、まったくである。
ケレンコについて、沈没船の外に出ると、そこには一隻の潜水快速艇が待っていた。それはケレンコが乗ってきたものである。速力のはやい小型の潜水艇で、潜水服をつけたまま水中で、のりおりできるのが一つの特徴だった。
二人は、艇の上蓋をとって、ならんで座席についた。運転士が下りてきて、二人の上に蓋をかぶせた。蓋は、すきとおったやわらかい硝子でできているので、外がよく見える。
潜水快速艇は、すぐさま動きだした。海底からひょいととびあがるところなどは、戦闘機が飛行場からまいあがって急上昇するのと同じであった。行手に大鯛の群がいたが、エンジンのひびきで、たちまち花火のように四方へちらばった。
「日本攻略は、いつ始めるお考えですかな」
太刀川は、たずねた。
「ふーん、それは君ともあらためて相談したいと思っていたんだ。わしは、はじめ、時期を待つつもりであったが、もうこうなれ
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