五名も、手のすいている者もみんなついてこい」
といって、ケレンコはすたすたと司令席を下り、出口から出ていった。その後から、十人ばかりの部下がしたがった。
会議室の前には、一人の水兵が銃をかかえてあっちへいったりこっちへきたり、番をしていた。
ケレンコは、番兵にいった。
「おい、リーロフはどうした」
「私は少しも知りません」
番兵は、あわてて捧銃《ささげつつ》の敬礼をしながら、こたえた。
「ふーむ、おかしいな」
と小首をかしげたが、考えなおして会議室の扉《ドア》を指さし、
「どうだ、この中の先生は、その後おとなしくしているか」
「はい、はじめはたいへん静かでしたが、さっきからごとごとあばれまわっています」
その時、扉の内側になにか大きなものをぶっつけたらしいはげしい音がした。
「ほう、やっとるな」といったが、ケレンコの眉がぴくりとうごいた。
「おい、へんじゃないか。中には誰と誰とが入っているのか」
「さあ、誰と誰とが入っているのか、私は知りません。さっきこの部屋の前を私が通りかかると、中から一等水兵がでてきて、(急に胸がわるくなったから、向こうへいってくる。その間、お前ちょっと代りにここの番をしていてくれ)といって、いってしまったんです。それから私が立っているんですが、どうしたのか、まだ帰ってきません」
「それはおかしい。一等水兵は誰か」
「はき気があるとかいって、顔を手でおさえていたので、よくは見えませんでした。小柄の人でしたが……」
「いよいよ腑におちない話だ。よし、扉をあけてみろ。おい、みんな射撃のかまえ。中からとびだして反抗すれば、かまわず射て」
扉には、鍵がつきこんだままになっていた。それをまわすと、錠はがちゃりとはずれた。
扉は開かれた。
とたんに、どたんところがりでた男! それを見てケレンコは、あっとおどろいた。
「おお、リーロフじゃないか。おいリーロフ、これは一体どうしたんだ」
だがリーロフはくるしそうにうめきながら、床のうえをころげまるばかりだった。それも道理、リーロフは、誰にやられたのか、猿ぐつわをかまされ、そしてうしろ手にしばられ、両足もぐるぐるまきにされている。
「どうしたのか、これは……」
とケレンコがおどろいてもう一度そういった時、室内からもう一人の男がよろめき出た。この男もリーロフ同様、しばられているが、はだか同様の
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