たが、うっかりそんなものを燃《もや》すことはできないのだ。
 燃せば、火がでる。煙もたとう、ヘリコプターの眼がこわいのである。怪《あや》しいとみれば、あいてのみさかいもなく、機関銃の雨をふらせる連中なのだ。
「仕方がない、このまま寝よう。なにすぐ夜があけるさ」
 寒さも、飢《う》えも、疲労《ひろう》にはうちかてなかった。それから間もなく三人は、うとうとしはじめたかと思うと、やがて、前後もしらず、ぐっすりと眠りこんだ。
 それから、どのくらいたったのか。
 ふたつにわれた黄金メダルや、スペインの海賊王や、さてはまた、かくされた大宝物《だいほうもつ》について、ふしぎな夢をみていた春木少年は、ふいにはッと眼をさました。夢のなかでなにやら、異様《いよう》な物音をきいたからである。
 いや、それは夢ではなかったのだ。げんにその物音はまだつづいている。パチパチと何かはぜるような音――春木少年はギョッとして、上半身《じょうはんしん》をおこしたが、そのとたん、ドカーンとものすごい音が、夜の空気をふるわしたかと思うと、山小屋がグラグラと大きくゆれた。
「なんだ、あれは……」
 戸倉老人も、その物音に、ハッと床《ゆか》のうえに起きなおった。
 いちばんノンキな牛丸平太郎までが眼をさまして、
「なんや、なんや、いまの音……」
 寝呆《ねぼ》けまなこをこすりながら、顔中を口にして、ううんと大欠伸《おおあくび》をした拍子《ひょうし》に、またもやドカーン。
「わーっ」牛丸少年はうしろへひっくりかえった。
「おじさん、六天山《ろくてんやま》の方角ですよ」
「よし、外へでてみよう」
 戸倉老人はさきに立ってでかけたが、何思ったのか、
「いや、ちょっと待て」
 と、春木少年の肩をとってひきもどした。
「おじさん、ど、どうしたんですか」
「あれ……あの音をお聞き」
 戸倉老人の顔は、するどい刃物《はもの》のようにひきしまっている。
 その声に、春木と牛丸の二少年も、ギョッとして耳をすましたが、と、どこからか聞えてくるのは、ブーというかすかな唸《うな》り声《ごえ》。ヘリコプターなのだ。東のほうから、しだいにこちらへ近づいてくる。
 牛丸平太郎はガタガタと胴ぶるいをした。
「おじさん、まだ、ぼくらを探しているのでしょうか」
「さあ?」戸倉老人が、首をかしげたときである。またもや、ドカーンと物凄《ものすご》
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