ようりょう》は同じことであった。
「……あの黄金メダルの半ぺらを、わしが手に入れたときは、わしはある汽船に船医《せんい》として乗組んでいて、たまたま地中海を通ったのだ。そのときわしの乗っていた汽船が舵器《だき》に故障を起したので、その某島へ寄って修理をやった。そのために前後五日間そこに仮泊《かはく》していた。その間に、わしははからずも黄金メダルを手に入れたのじゃ。……どうしてそれを手に入れたか。そのことは、宝探しには直接関係のないことじゃから、おしゃべりしないでおくよ」
老人は、そういってことばを結んだ。なにかいいにくいことがあるにちがいないと、春木はそう思った。
とにかく、おどろくべきことだ。
今までは、一片《いっぺん》の屑金《くずがね》にすぎないではないかと軽く見ていたが、こうしていわれ因縁《いんねん》を聞くと、海賊王デルマの死霊《しれい》が籠《こも》っているように気味のわるい品物に思えた。
「惜しいことをしました。あれを盗まれてしまって、まことに残念です」春木は、ほんとに残念でならなかった。
「まあ、よいわい。わしが自由の身になったからには、なんとかして取戻す方法がないでもないのじゃ。うまくいったら、君たちにも知らせてあげる。しかしこのことは、他の人には絶対秘密にしておくがよいぞ」
「はい」
と春木はこたえた。しかし、彼はこのことを他の人々にもしゃべってしまったことを思い出して、苦しかった。もっともしゃべったのは、金谷《かなや》先生と四人の少年探偵の級友と、それからここにいる牛丸君だけにではあったが……。
「おじさんは、そのメダル探すあてがおまんのやな」
牛丸少年がたずねた。
「うむ。まあ、そういう見当じゃ」
「どこだんね。骨董店《こっとうてん》やおまへんか。海岸通《かいがんどお》りの方の骨董店とちがいますか」牛丸は春木から聞いたチャンフー号の店の話を思い出して、あてずっぽうながら、いってみた。
「ほう」と戸倉老人は目を丸くした。「そんならその店の名をいってみなさい」
「万国骨董商《ばんこくこっとうしょう》のチャンフー号ですやろ」
すると戸倉老人は卒倒《そっとう》せんばかりにおどろいた。チャンフー号の事件については、春木は牛丸には話したが、戸倉老人にはまだ話をしてなかったのだ。
「どうしてそれを知っているのか」
「あそこの店には、なんの品でもおます
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