えられ、一応退去しましたが、これでもう、二度と地球へやってこないとはいえませんよ。いやいや、きっと彼らは、ふたたび来襲することでしょう。今回にこりて、彼らはもっともっと強力な準備をし、これだけのものを持っていけば、必ず地球人類を制圧できるという、自信のついたところで来寇《らいこう》するでしょう。油断はならないのです。相手が準備に費す間に、こっちでもじゅうぶんの防禦準備をつくらねばなりません。それにはぜひともここ一二年のうちに、宇宙艦隊を数千隊にふやし、警備線を天王星、海王星あたりまで進めなければならんです。さあ、皆さん、元気をだして、誰も彼もが宇宙艇を操縦して、宇宙生活にたえるように勉強と訓練をして頂かねばなりません。しかも地球を狙うものはミミ族だけではないのです。第二第三のミミ族にも備えることが肝要です。成層圏飛行に成功したくらいで安心していては、間もなくミミ族のために、簡単にたべられてしまいますよ。さあ、蹶起《けっき》してください」



底本:「海野十三全集 第10巻 宇宙戦隊」三一書房
   1991(平成3)年5月31日第1版第1刷発行
入力:tatsuki
校正:土屋隆
2003年10月22日作成
青空文庫作成ファイル:
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