、ミミ族の代表者を迎えにいってはどうか」
「それがいいなあ。とりあえず僕は、ミミ族におくる土産物《みやげもの》を用意するよ」
 こんな連中も、多くではないが、のさばりでた。だが、こののんきな連中は、まもなく大きな失望に見舞われた。
 それはミミ族の一隊が突然カナダのある町にあらわれて、その町を、住民ごとすっかり天空へさらっていってしまったという、驚くべき事件が起ったからであった。
 もちろん警察飛行隊はすぐ出動して、嵐にまう紙屑《かみくず》のように、天空に吸いあげられていく町の人々や、木や、家や、牛や、馬や、犬などのあとをおいかけた。しかし一時間ばかりすると、どの飛行機ももどってきた。
 彼らの報告は、きまって同じだった。あの奇妙な竜巻をおいかけていったが、そのうちどこへ消えたか、彼らの姿が全然見えなくなったそうである。そして晴れわたった青い空に、太陽だけがかがやいていたという。
 こんな騒動が、世界のあちらこちらで起り、それはあとからあとへ世界中へ放送され、人々の恐怖は日とともにつのっていった。
 ふしぎなことに、そういう事件が相ついで起っても、ミミ族は一ども姿を見せなかった。ミミ族
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