なしです。ほしいと思うものにすぐ手を出して取り、強い者には頭を下げ、弱い者はすぐ殺すのです」
「どうして、そんなことがわかったのか」
「私が見てきたのです。山岸中尉、彼ら緑鬼は、動物の一種でもなく、また植物の一種でもないのですぞ」
「なんだって」山岸中尉はおどろきのあまり、思わず大きな声をたてた。
「君は途方もないことをいうね。生物といえば、動物と植物にきまっている。それ以外の生物というのがあるだろうか」
 しかし帆村は言った。
「そういう理窟は、地球の上だけにあてはまるのです。他の世界へ行けば、かならずしもあてはまらないのだと思います」
「すると、いったいどういう種類の生物だというのかね、あのミミ族は……」
 山岸中尉は、こめかみに指をたてて、むずかしい顔をした。帆村のいうことがわかりかねるのだ。もちろん誰にだってわかるはずはない。
「まだ判定の材料がすっかり集っていないから、しかとはいえませんが、私の考えるところでは、緑鬼ミミ族は、高等金属だと思います」
「なに、高等金属。わははは。君は気がどうかしているよ。わははは」山岸中尉は大声で笑った。帆村は、かくべつ腹をたてた様子もなく、真
前へ 次へ
全162ページ中111ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング