いうすごい連中と、こんなさびしい宇宙でであうなんて気持のいいことではないと、三根夫は思ったのだ。
すると帆村がいった。
「いや、宇宙採取艇のみながみな、ごろつきだというわけではない。それにギンネコ号なら、たぶんこのおじさんの知っている鴨《かも》さんという艇長が乗組んでいるはずで、あの人は、けっしてごろつきではない」
それを聞いて三根夫は、やっと安心した。
宇宙のめぐりあい
はてしれぬ広々とした暗黒の宇宙だ。その宇宙のなかの一点においてめぐりあう二組の宇宙旅行者だった。
救援艇隊では、テッド隊長の命令によって、各艇の外側に照明をうつくしい七色の虹のような照明にかえた。各艇は輪になって、そのまん中にギンネコ号を迎える隊形をとった。
相手のギンネコ号の方は、そんなはでなことをしなかった。艇首に三つばかりの色のついた灯火《とうか》をつけ、『ワレ、貴隊ニアウヲ喜ブ』という信号をしめしただけであった。そしてひどく型の古い艇身に、救援隊側からのサーチライトをあびながら、輪形編隊《りんけいへんたい》のなかにとびこんできたが、そのかっこうはなんとなくきまり悪そうに見えた。
ギン
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