世界の天文台へ通報した。
この彗星の速度は、じゅうらいの彗星よりもはなはだ速く、そしてその翌日には、あっというまに、地球と火星の間を抜けて飛び去った。それは深夜のことだったが、通過のさいは、約三時間にわたり、まるで白昼《はくちゅう》のように明かるかったという。そしてその彗星は、ひとつのものと思われ、テッド隊員がしきりに知りたがっているようなガン星の姿はぜんぜんみとめられなかったという。それから考えると、おそらくもうそのときまでに、ガン星はアドロ彗星の腹中《ふくちゅう》へおさまっていたのであろう。ガンマ和尚やハイロ君の運命については、もちろんなにも知られていない。
宇宙は広大であり、古今は長い。そして地球人類の科学知識はあまりにもうすく、そしてせまい。われらは、自然科学について知ること、あたかも盲人が巨象の片脚の爪にさわったよりも知ることがすくないのだ。われわれは、いそいで勉強しなくてはならぬ。それは地球人類のゆるぎなき幸福のために、ぜひひつようなのである。
底本:「海野十三全集 第13巻 少年探偵長」三一書房
1992(平成4)年2月29日初版発行
※「ミネ君」、「三根
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