ド隊長は、『出航用意』を命令したのであった。
乗組員たちは、この命令にせっして、目を丸くしない者はなかった。そして、それにつづいてかれらはこうふんのいろをあらわし、いつもとはちがって、年齢が五つも若返ったように元気づいた。
「うれしいね、出航用意だとさ」
「出航用意か。いつ聞いても、胸がおどるじゃないか。さあ、いこう」
「出航用意だぞ、出航用意だぞ」
機関室は、火事場のようないそがしさだった。全員は、本当に出航する顔つきになって、小さいエンジン類からはじめて、だんだん大きなものを起動《きどう》していった。
出航用意の命令は、本艇だけでなく、僚艇《りょうてい》八|隻《せき》にも伝達された。
僚艇でも、みんな目を丸くし、そしてこうふんになげこまれ、それからみんないそがしく活動をはじめた。脱出不可能なことは、誰も知っていたが、なつかしい『出航用意』の号令は、なおかれらを立ちあがらせる力を持っていた。テッド隊長は、考えぬいたすえに、『宇宙の女王《クィーン》』号のサミユル博士に連絡をとることをめいじた。無電は、サミユル博士|邸《てい》を呼びだした。しかし、誰もでてこなかった。
無電係が
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