なくてはならないであろう。地球人類の頭脳と科学力とでは、とてもやれないことだ。三根夫は、怪星ガン人の智能の深さと大いさに、いまさらながらおどろかされた。
(このようなガン人に打ちかって、われわれテッド隊員が、うまく怪星ガンから脱出することがはたしてできるであろうか)それを考えると、三根夫は気がめいってきた。
問題の天蓋《てんがい》
三根夫が、へんな顔をして、ふさぎこんでしまったので、ハイロは心配して、声をかけた。
「誰でも、動力室を見ると、気がふさぐものです。それは、もし動力室がこわれたら、われわれはどうなるかなあという不安が、誰の心にも起こるからです。まあ心配しないほうがいいですよ。この国にも、そのほうの専門家がたくさんいるんだから、動力室のことはその人たちにまかせておくことですよ。そしてわれわれは、もっと楽しいことばかり考えるのがいいんです」
そういうところを見ると、ハイロもやっぱり動力室見学は、愉快なことではないらしい。
「ハイロ君のいうとおりだ。はやくここをでて、もっと愉快なところを見物させてくれたまえ」
「さあ、愉快なところというと、どこにしましょうか。映画
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