モロー大彗星《だいすいせい》の進路が、急に変ったのじゃ」
「はあ、モロー彗星の進路が、急に変ると、大事件が起るのですか」
11[#「11」は縦中横] モロー彗星《すいせい》
モロー彗星が、急に進路を変えたからといって、さわいでいる蟻田博士だった。それがなぜ大事件になるのか、新田先生には、わけがわからなかった。
「おい、新田。地球が遂に粉みじんになる日が来るぞ」
「えっ、なんですって」
新田先生は、びっくりして、博士の顔を見なおした。先生は、自分の耳を疑《うたぐ》ったのである。地球が粉みじんになる。……と聞えたように思ったので。
「なんだといって、それだけのことじゃ。地球が、粉みじんに、くだけてしまうのじゃ」
「先生、それはじょうだんですか。それとも、小説かなんかの話ですか」
新田先生には、博士の言葉がまだのみこめなかった。
そうでもあろう。地球が粉みじんになる日が来るなんて、そんなばかばかしいことが、あるであろうか。
さもなければ、蟻田博士は、やはり病院にはいっている方が、いい人なのではなかろうか。つまり博士は、変になっているのではなかろうか。
新田先生はどっ
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