ことを嬉しく思った。
「ところで、その丸木とかいう怪人物だが――」
と、新田先生は、頭を左右に振って、
「丸木こそ、実に不思議な人間だ。さっき千二君は、火星のスパイかも知れないと言ったが、とにかく彼をつかまえさえすれば、何もかもわかるだろうと思う。よし、大江山課長さんにも、そう言って、よく頼んでおこう」
千二少年は、又、その時心配そうに、
「ねえ、先生。僕は、もう一つ心配していることがあるのです」
「心配していることって、なに?」
「外でもありません。お父さんのことなんです。お父さんは、僕がいなくなったので、心配していると思うのです」
「あっ、そうか。お父さんは、さぞ心配しておられるだろう。君のお父さんは、まだここへ来ないのかね」
「ええ、何の話もないんですから、まだ来ないのでしょう。きっと僕がいなくなって、お魚を取るのに、大変いそがしくなったためでしょう」
「しかし、それは、どうも変だね」
と、新田先生は、首をかしげた。
なぜといって、千二君が警視庁へあげられたことは、新聞にも出たことだから、お父さんは知らないはずはないのだ。それを知ればお父さんは、千二君がどうしているかと思
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