なことは、だめです」
「いや、おれは火星王だ。そうしてこの大宇宙をおさめるのだ。地球なんかこわれてしまえ。わしは金星を攻略し、木星を従え、水星も土星も、わが領土とするぞ。そうしておれは、更に他の太陽系の星をめがけて、突進するのだ」
丸木は、いよいよ大きなことを言って、いばりちらした。
丸木は気がへんになったようになって、いくらアグラスがすすめても、新王ロロにしたがうとは言わないのであった。
アグラスも、もうこれまでだと思った。
「やむを得ん。射撃用意。目標、逆賊丸木……」
アグラスの命令は、高声器によって、丸木の耳にも、つよくひびいた。
「なんだ、なんだ。おれを撃つというのか。撃てるものなら、撃ってみろ。どうして撃てるものか」
丸木は、まだ、つよがりを言っている。
その時、地底戦車隊長のアグラスは、ついにさけんだ。
「撃て!」
隊長の命令一下、戦車砲は、天地もくずれるような大音をあげて、一せいに砲弾を撃出した。
砲弾は、丸木が腕ぐみをして立っていた小高い岡に命中し、ぱぱぱぱっと、ものすごいいきおいで炸裂し、もうもうたる硝煙は、たちまちその岡をおおいかくしてしまった。
前へ
次へ
全636ページ中624ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング