靴は、あたりまえにつければよろしい。さあ、いそいで、やりなさい」
「はいはい」
 先生と千二とは、博士にいそがされて、別室へいった。
「博士、服と酸素かぶとと、どっちを先につけるのですか」
 と、千二がたずねた。
「それは、わかっているじゃないか。先にズボンをはき、それから服を着、そのうえから、酸素かぶとをかぶるのじゃ」
「靴は、いつはくのですか」
「わかっているじゃないか。靴は、ズボンをはいてから、はけばよいのじゃ。酸素かぶとをかぶってからでもよいぞ。なかなかせわのやける奴じゃ」
 博士は、千二をしかりつけながらも、にこにこしている。博士にとっては、二度目の火星訪問だが、たとえこれから、たいへんな戦闘がはじまろうとも、大空艇で宇宙の旅をつつがなく終え、ついに目的地の火星までやって来たことが、うれしくてしかたがないらしい。
 先生と千二は、博士にならって、ものものしいすがたになった。
(こんな重いものを着て、どうなるであろうか。重すぎて歩けないであろう。これで千メートルも歩けばへとへとになるであろう)
 千二は、はじめ、そう思っていた。
 ところが、不思議なことに、それを着てみると、思
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