は、わけがわからなかった。そこで、えっと、ききかえしたわけであった。
「新田、この部屋が、かわった作りかたをしてあるのが、お前にはわからないか」
「えっ、かわった作りかたといいますと……」
「なぜ、こんなにせまいのだろうかと、考えなかったかね。また、なぜ、こんなにトンネルのように、奥行ばかりふかいのだろうかと、うたがわなかったかね」
 博士は、そういって、新田先生のけげんなかおを、たのしそうに眺めた。
「博士、わかりませんなあ」
「わからんか。よほど、お前は血のめぐりが悪い。じゃあ。これを見よ」
 博士は、そういって、前の計器盤の下についている押ボタンの一つを、指さきで押した。
 すると、にわかに、大きなエンジンが、まわりだしたような音がした。そうして部屋全体が、こまかくふるえているのだった。
 新田先生は、耳をすました。そうして、ふしぎそうに、あたりを見まわした。
 博士は、第二のボタンを押した。エンジンらしいものの廻転が、また一段と、早くなったようである。
「まだ、わからんか。――新田、お前の坐っているところの正面に、やがて窓があくから、よく気をつけていろ」
「はあ、窓ですか」
 
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