かな。一挺お前にわたしておく。これは十号ガスを発射するガスピストルだ。あまり遠くへはとばないよ。まず百メートルが関の山だ」
「百メートル? 百メートルなら使いものになりますよ」
新田先生は嬉しそうな顔で、博士からもらったガスピストルを握って、しきりに胸のところへ持って行ったりして、早く一発撃ってみたそうである。
それを見て博士は言った。
「だめだめ。こんなところで、そのピストルを撃ってみても、こわれるものは一つもありはしない。それよりも、これからわしと二人で、火星兵団の奴を追いかけて、ためしてみようではないか。支度をしたまえ」
「えっ、ためしに火星人を撃ってみるのですか」
先生は、嬉しいような、こわいような気持になった。
博士の方は、そんなことには一向お構いなしに見えた。
「さあ、すぐ出かけよう。ついて来たまえ」
と言ったかと思うと、はや部屋をずんずんと出て行ってしまった。先生は驚いてその後を追いかけたが、博士の姿は見えない。地下から地上へ出る階段をかけ上って見たが、博士はどこに行ったか見えない。
そこで先生は、もう一度階段を下りて、もとの部屋へ引返そうと後へふり向いた。
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