いじゃ」
と、老博士は、にがにがしく言って、
「それに、もうすでに時おそしじゃ。何をやっても、もう間に合わないだろうよ」
「そこを、何とかならないものでしょうか。何千年・何万年という輝かしいわが人類の歴史を考えると、このまま人類を絶滅させるには、しのびないではありませんか」
「人間たちの心がけがよくないから、そんなことになるのだよ。今ごろになって言っても、もう始らないが、わしは三十年このかた、地球人類に警告をして来たのだ。近ごろになっても、あの『火星兵団』についての警告放送をやったりしたが、誰も本気になって、それを聞かないのだ。対策を考えようとしないのだ。万事、もうおそいよ。自業自得だ」
と、博士はあいかわらず人間たちにたいして、ひややかな言葉をはいた。
(そうでもあろうが、ここで何とかして、博士の心に、人類愛・同胞愛を起させなければならない)
と、新田先生は自分の心を自分でむち打った。
「すると博士はどうされるのですか。四月四日の前に、ロロとルルを連れて、火星へお帰りになるのですか」
「何をばかなことを! 火星へ行くのは、ロロとルルを処刑場へ連れて行くようなものだ」
(火星なん
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