て子供の方に近づいた。
 女の子たちは、石けりに夢中になっていた。その時、長マントの一隊が近づいたことも知らないようであった。はっと気がついた時は、もう遅かった。
「あら、おじさん。線の上を通っちゃ、ひどいわ」
「あら、あたしの石をけとばしてさ。いやあよ」
 長マントの連中は、なにも言わなかった。そうして一列になったまま、そこを通って行った。
 彼らが通っていった後には、チョークでかいた石けりの白い輪はあった。石けりの石も、そのままそこにあった。しかし、どうしたわけか、今の今まで、そこに楽しそうに遊んでいた五、六人の女の子の姿は、どこにも見えなかったのである。
 長マント隊は、そ知らぬ顔をして、ずんずん向こうへ歩いて行く。だが、別に子供をつれている様子も見えない。ただ彼らのマントが、風もないのに、どうしたわけか、へんに波うつのであった。誰かそこへ行って、マントの下を見てやるとよかった。
 こうして、かわいい女の子たちが、火星人にさらわれてしまったのである。
 火星人の帝都侵入のことは、いち早く放送されもし、新聞でも注意するように大々的に書きたてたが、不幸にも、帝都の市民の多くは、そんな
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