一般の人々にとっては、まさに寝耳に水をつぎこまれたような大きな驚きであった。
 地球が、近く崩壊するのだ!
 モロー彗星というやつが、われわれの住んでいる地球にぶつかるのだ!
 大宇宙におけるその衝突は、来る四月だ!
 この放送を聞いた人は、はじめはとても信じられなかった。これはラジオドラマの一節じゃないかと、幾度もうたがってみたのであるが、不幸にも、それはラジオドラマでないことが、だんだんはっきりして来た。
 ロンドンとベルリンとから放送された地球崩壊の警告講演は、もちろん地球の隅々にまでも達した。
 その国際放送は、すぐさま録音せられ、そうして自国の言葉に訳され、時をうつさず再放送されたのであった。
 新聞社は、驚くべき手まわしよさで、このことを号外に出した。
 各国市場の株は、がたがたと落ちた。
 銀行や郵便局には、貯金を引出す人々が押掛けて来て、道路は完全にその人たちによってうずまった。自動車も電車も、みな立往生である。
 わりあいに落着いて、パイプを口にくわえて、この有様を見ていた老いたイギリス人が、がてんがいかないという風に首をふりながら、
「あいつら、何をさわいでいるの
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