にいて、何か秘密のあるようなものを、見なかったかね」
「床下で秘密のあるようなものというと……」
と、千二はしきりに考えていたが、
「ああ、あれじゃないかしら」
「何だ。あれとは――」
新田先生は、思わず声を大きくして、千二にたずねた。蟻田博士の秘密室の床下で、千二は、何を見たのであろうか。
「それは、博士の秘密だか何だか、わかりませんけれど……」
と、千二少年は前おきをして、
「僕は床下で、たいへん太い柱を見たんです」
「なに、太い柱?」
「そうです。とても太い柱です。コンクリートの柱なんですよ。太さは、そうですね、僕たちが、学校でよく相撲をとりましたね。あの時校庭に土俵がつくってあったことを、先生はよく覚えていらっしゃるでしょう。柱の太さは、あの土俵ぐらいの太さはありましたよ」
「そうか、小学校の庭の土俵ぐらいの太さといえば、相当太い柱だね。それは柱というよりも、中に何かはいっているのじゃないかなあ」
「そうかも知れません」
「柱の上は、床についているのかね」
「さあ、それはよく、たしかめてみませんでしたけれど、もし床の上に出ているものなら、先生がおはいりになった博士の秘密室
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