そりゃ食人種さ。しかし丸木は、人間じゃないんだ。だから、僕は食人種になりはしないよ」
「じゃあ、何になるかなあ」
「食化種さ。お化の味を、僕が第一番に味わってみようというわけさ。もし、おいしかったら、君にも分けてやるよ」
「じょうだんじゃない。お化の肉のはいったライスカレーなど、まっぴらだ」
「さあ、くだらんことを言わないで、早く丸木をさがし出せよ」
「くだらんことを言っているのは、佐々君、君だよ」
そんなさわぎのうちに、とうとう不幸な半裸体の警官が見つかった。彼は、すっかり官服も帽子も奪いとられて、草むらに倒れていた。課長以下は、すぐさま手あつい介抱を加えたが、残念ながら、もうだめであった。肋骨《ろっこつ》が三本も折れて、ひどく内出血していた。
「かわいそうなことをした」
と、大江山課長は涙をのみ、
「丸木という奴は、いよいよ人間じゃない。人間なら、こんなに残酷なことは、しないだろうに」
20[#「20」は縦中横] 秘密室
こっちは、新田先生と千二少年とであった。二人は不思議な再会に、手をとって喜び合ったが、話はつきなかった。
だが、そのうちに、新田先生は、蟻田
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