があったため、ありもしないそんな変なものを見たように、報告したのであろうということだった。わしも、正直に言えば、その友人が、変になっていたのだと思っていた。が、これはどうだ。その友人の報告書に書いてあったとおりの形をした宇宙艦が、今レンズの向こうに見えているではないか。しかも、さかんにうごいている!」
博士は、すっかりその宇宙艦に、気をうばわれている様子であった。
「博士、その宇宙艦というのは、どこの国で作ったものですか」
「作った国は、どこだというのかね。さあ、わしはまだよく研究していないが、さっき話したわしの友人は、ドイツの空軍研究所が、試験的に作ったものであろうと書いてあった。もっとも、ドイツの当局では、そんなばかな話はないと、さかんにうち消していたがね」
「博士は、あの宇宙艦が、ドイツで出来ると思っておられますか」
「いや、そうは思わない」
蟻田博士は、望遠鏡の中にうごめく宇宙艦を、しきりに観察しながら、新田先生と話を続けている。
博士は、その宇宙艦が、いつだか博士の友人のドイツ人が報告書にのせ、人々の注意をうながした宇宙艦だと言った。新田先生は、その宇宙艦は、ドイツ人に
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