人間の体が、鋼鉄造りであれば、助るかもしれません。骨といってもたいして固くないし、柔かい肉や皮で出来ている人間が、あの高い崖の上からおちて、死なないで、すぐさまどこかへ行ってしまったなどと……。あっはっはっ。これはどうもおかしい。あっはっはっ」
 佐々は、大きなこえで笑い出した。


   16[#「16」は縦中横] 大発見


 同じ夜のことであった。
 崖の上に並んでいる蟻田博士の天文台では、新田先生が、昼間からぶっ通しで、望遠鏡をのぞいていた。
「おい、新田。お前は、なかなかがんばり屋だのう。たのもしい奴じゃ」
 と、蟻田博士が、いつになく新田先生をほめて、椅子から立って来た。博士もなかなかがんばり屋で、この天文台へかえって来てからは、ぶっ通しで、本を読んだり、しきりに鉛筆をはしらせて、むずかしい計算をするなど、勉強をつづけていたのであるが、その博士が、今になって、やっと新田先生の熱心さに気がついたのであった。
「おほめにあずかって、恐れ入ります。しかし私は、モロー彗星の衝突が起っても、何とかして地球の人類を助けたいのです。それを考えると、じっとしていられないのです」
 新田先生
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