にこわれることを、じっと見ながら死んでいくのだ。なんという恐しいことであろうか。
(全く、こうなると、人間というものの力は、ずいぶん小さいものだ。蟻が人間の指の下で、おしつぶされるよりも、もっと簡単に、人間たちは、モロー彗星の衝突で、みな殺しにされてしまうのだ。ああ、なんというみじめな人間の力であろうか」
新田先生は、心の中で、泣きの涙になっていた。
「さあ、そうなると、わしも、新しい仕事が出来て、いそがしくなったぞ」
と、蟻田博士は、手を後に組んで、落着かない様子で、部屋をあちこちと歩き廻る。
「まず、第一に用意しておかなければならないことは、地球の最期《さいご》を映画にうつして、後の世まで残しておくことじゃ。はて、どうしてそれをやりとげたらいいじゃろうか。これは、なかなかむずかしいぞ」
博士は、ひとりごとを言って、また歩き廻る。
新田先生は、不審《ふしん》の面持だ。
(地球の最期を映画なんかにおさめたって、どうにもならないではないか。なぜといって、地球そのものが、モロー彗星の衝突で、煙のように消えてしまうのだから。へんなことをいう博士だ)
そう思って、蟻田博士の方をじっと
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