フラーの火星人はいいながら、山木たちの前まで来て立ち停り、鞭《むち》のような手の一本を前にさしだした。
 それは握手をもとめているらしく思われたので山木はちょっと気味がわるかったが、思い切って自分の手をさしのばすと、ぐっと相手の手をつかんでふった。その手ざわりは、かなり冷めたかったが、それでも体温のあることが分った。
「地球のことばを話して下さるので、たいへんよく分ります。そしてうれしいです。ぼくは山木という者です。どうぞよろしく」
「やあ、よくそういって下すって、私もうれしいです。私はギネといって、このミカサ集団の代表者をつとめている者、どうぞよろしく」
 白いマフラーを首に巻いた火星人ギネは、そういって、ていねいにあいさつをした。
 山木はいよいようれしくなって、張とネッドを紹介すれば、ギネも、そのうしろにひかえた六人の職能代表者を紹介した。
 一同の間には、親しい気分が流れた。
「ああ、ギネさんとおっしゃいましたね」
 山木が呼んだ。
「はい、私はギネです」
 白いマフラーのミカサ代表者はこたえた。
「ええ、その……つまり、さきほどはたいへん失礼しました。気持のわるい瓦斯《ガス》
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