継体天皇の御旧居の地を明らかにして、その碑文をえらみ、越前《えちぜん》足羽《あすは》神社の境内に碑を建てたのも、この翁だ。そうした敬神家の大秀はもとより仏法の崇拝とは相いれないのを知りながらも、金胎《こんたい》両部、あるいは神仏同体がこの国人の長い信仰で、人心を導くにはそれもよい方法とされたものか、翁が菩提寺《ぼだいじ》はもちろん、郷里にある寺々の由緒をことごとく調査して仏を大切に取り扱い、頽廃したものは興し、衰微したものは助け、各|檀家《だんか》のものをして祖先の霊を祭る誠意をいたすべきことを覚《さと》らしめた。思いがけないような滑稽《こっけい》がこの老翁の優しい口もとから飛び出す。郷里に盆踊りでもある晩は、にわか芸づくし拝見と出かける。四番盆、結構、随分おもしろく派手にやれやれと言った調子であったらしい。翁のトボケた口ぶりは、ある村の人にあてた手紙の中の文句にもよく残っている。
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オドレヤオドレヤ。オドルガ盆ジャ。マケナヨマケナヨ、アスノ夜ハナイゾ。オドレヤオドレヤ。
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半蔵が聞きつけたのも、この声だ。かなしみの奥のほほえみ、涙の奥の
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