な留守にして置いた家《うち》のことが氣に掛かつて來た。同時に、しばらく忘れて居た工場の笛、車の音、唸るやうな電車、煤と煙と埃とで暗いやうな都會の空に震へる彼《あ》の響を思出すやうに成つた。彼《あ》の單調な、退屈な…………



底本:「現代日本紀行文学全集 東日本編」ほるぷ出版
   1976(昭和51)年8月1日初版発行
初出:「太陽」
   1909(明治42)年4月
※底本の「執筆者・発表紙誌一覧」には、原題が「旅」である旨の記載があります。
入力:林 幸雄
校正:染川隆俊
ファイル作成:
2005年5月17日作成
青空文庫作成ファイル:
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