ち込まれることを恐れて、若しも運動が躊躇《ちゅうちょ》されると考えるものがいるとしたら、俺は神に(神に、と云うのはおかしいが)かけて誓おう――
「全く、のん気なところですよ。」と。
 第一、俺は見覚えの盆踊りの身振りをしながら、時々独房の中で歌い出したものだ――
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独房《どくぼう》よいとオこ、
誰で――もオおいで、
ドッコイショ
………………
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附記 田口の話はまだ/\沢山ある。これはそのホンの一部だ。私は又別な機会に次々とそれを紹介して行きたいと思っている。
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[#地から1字上げ](一九三一・六・九)



底本:「工場細胞」新日本文庫、新日本出版社
   1978(昭和53)年2月25日初版
初出:「中央公論 夏期特集号」中央公論社
   1931(昭和6)年7月
入力:細見祐司
校正:林 幸雄
2006年12月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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